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2005年10月10日

「週刊・技術士になれる無料セミナー」第20回

2005/09/28 Vol.20 技術士 鈴木裕
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週間・技術士になれる無料セミナー
〜2005年度 第20週
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こんにちは。
技術士の鈴木裕です。

3週間のごぶさたでした。
後期の大学の講義が始まり、その準備などで忙しくしていました。
これまで自動車工学など専門分野の授業は持ったことがありますが、技術者倫理を教えるのは初めてなので、かなり準備に時間をかけました。
人にものを教えるのは、自分自身もっとも良い学びになります。
いい経験をしています。

では、今週の課題です。

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9月8日号で、動機が最も大事、と言う話をしました。
あなたの動機は見つかりましたか?

倫理学では、動機が大事か結果が大事か、と言う問題は一大テーマでもあります。
わが国で「技術者倫理」と呼ばれるものでは、結果がより重要視されます。
これを倫理学では「功利主義」と言います。

具体的な例を挙げれば、三菱自動車の問題があります。
「ハブが破損して、人が死んだ」と言う結果だけが重要視されますが、そこに至る経緯、技術者は何を考え、どう行動したのかについては全く問題にされません。
もしかしたら、事故を未然に防ぐ為に、ギリギリの努力をしていたかも知れないではないですか?

技術者倫理では「スペースシャトル・チャレンジャー」の事故は有名です。
どの教科書にも必ず事例として取り上げられています。
チャレンジャーが爆発した、と言う「結果」よりも、ボイジョリーという技術者が、何を考えてどう行動したか、と言う「動機」の方が、より重視されています。
彼はこの事件で、倫理的に優れた行いをした技術者として表彰されました。

結果は確かに大事なのです。
しかし、動機を全く無視している、今のわが国の技術者倫理と言うのは何かおかしい。
そもそも、倫理学はアリストテレスが体系化した学問です。
そして、アリストテレスの主張は功利主義とは全く逆の立場です。
口当たりのいいお題目を唱える前に、アリストテレスぐらい読んで欲しいものです。

さて、口答試験にも配点と言うものはあります。
以下の、文部科学省のページをもう一度確認しておきましょう。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/sonota/05012704.htm

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技術士(機械部門・総合技術監理部門) 鈴木 裕
http://blog.suzukiyutaka.com/
有限会社SRD代表取締役/近畿大学非常勤講師
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投稿者 suzuki : 2005年10月10日 13:50

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